自分の名前で勝負する、その人生を叶えたい。
村上 あゆ美 | MURAKAMI AYUMI
ホームパーティープランナー/会社員
会社だけに寄りからず、私に出来ることをやり続けたい。
そんな村上さんの生き方は・・・
― 『日本のおもてなし』を世界へ。
野望を持って飛び込んだ、飲食業界。
私、物心着いたときから『日本のおもてなし』を仕事とすることに興味があったんです。だから、大学ではレストラン・マネジメント学部を選びました。アメリカの大学で。
メニューの考案やインテリアデザインから始まって、マネジメントやマーケティングなど戦略的なことまで幅広く学んで、高校卒業までいやいやしていた勉強が初めて楽しいと思えました。
帰国してサービス業を中心に就活をして、飲食業界の会社に入社。
赤坂にあるレストランに配属されて、お客樣の対応・接客、アルバイト管理、結婚式の接客など、色んな仕事をさせてもらいました。客単価が高いので求められるサービスレベルも高く、外国人の多い職場だったので価値観が異なる人との働き方など、とても勉強になりました。
ただ、日本のおもてなしを世界に持っていきたい!という野心があったので、出店計画やPRなどもっと自分から仕掛けることをしたいと思うように。また、大きな野心とは別に「結婚しても子供を産んでも、ずっと自分らしく働きたい」という目標があったので、なんだかモヤモヤし始めたんです。
同じタイミングで、上司に「もう入社して2年になるんだから、他の店舗に異動して経験を積むか、このお店一本でやっていくか、何かしらの覚悟を決めないと。」って言われて。
何かヒントを見つけられたらって思って、アメリカに飛んで配属されていたレストランの本店を視察して、そこで色々考えました。
結果、帰りの飛行機の中で友人に「私、転職するわ」と言っていたんです(笑)
― 営業の仕事が楽しい、今。
でも、会社名に頼る自分ではいたくない。
そこから、転職活動です。希望した職種は“営業”。
ちょっとした戦略があって、営業を3年以上やればそこからマーケティングやPRの部門に行きやすいかなって考えていたんです。多くのサイトを調べても、営業っていう実績があるとその後の転職にも有利ですよって書いてあって。営業の本も何冊も読みました。
最終的に、面接官の人柄にも惹かれて今の会社に入社しました。
人材サービス業で求人広告の営業です。2011年に入社したので、もう4年目。
営業の仕事は想像以上に面白いです。今の会社は社風もいいし、残業もほとんどない。職種柄、自分の成果も見えやすい。「ありがとう」で成果を感じていた飲食時代もよかったですが、数字で分かるとよりやりがいがありますね。
このまま営業として実績を重ねてスキルアップして、3年後、5年後に、社内のマーケ部門やPR部門に異動する。そんな感じで進んでいく道もあるかもしれません。
ただ、昔から自分の人生を会社だけに委ねるのはイヤだった。
会社員は確かに恵まれています。でも、それはどうなるかわからない。会社が倒産するかもしれない。自分の家族に何か起こって退職しないといけなくなるかもしれない。どんな会社に入社したって、その人に何も無かったら意味がないって思うんです。
だから、会社名だけに頼る自分でいたくない。自分の名前で勝負できる、そういう自分でいたい。もうひとつの軸をつくるために、少しずつ動き出しました。
― 私、ホームパーティープランナーです!
発信することを恐れなければ、共感は増えていく。
まず、『ちゅうもえ』というオンラインサロンに入りました。
ライフスタイルプロデューサーの村上萌さんとブロガー/作家のはあちゅうさん主催で、やりたいことや夢を持っている人たちと情報をシェアできる、同志が集うサークルのような場所です。
自分の想いを発信する仲間を見つけたことで、やりたいことを伝えるって恥ずかしいことじゃない、素敵な人はたくさんいるんだって感じて。やれない、やらないじゃなくて、やりたいどうか。夢を口にして行動する人ばかりの場所に身を置くことで、わたしも怖がらずにもっともっと発信していこうって思うことができました。
そして、私ってどんなことで自分の名前で勝負したいんだろうって考えたり、自分のこれまでを振り返ったりして、『日本のおもてなし』というキーワードから、ホームパーティープランナーという肩書きでやっていくことにしたんです。
2013年の冬、クリスマス・ホームパーティーを企画しました。
ホームパーティープランナーと名乗る以上、どこかのケーキ屋で買ったケーキや、デパ地下のチキンやお惣菜を並べるんじゃ意味がない。コンセプトやテーマカラーを決めて、ストーリーも組み立てていきました。あと、『ちゅうもえ』のメンバーに声をかけて一緒に進めていたので、みんなの得意が発揮できる場にすることにもこだわりました。やるなら徹底的にやりたかったんです。
終わってみると「出来ちゃうじゃん!」って思いました(笑)
それぞれの得意分野を持っている子が集まって、みんなで準備して、それをカタチにする。本気でやれば出来るんだって思いました。これを発信していきたいと思ったので、1ヶ月後の2014年1月にはホームパーティーをテーマにしたブログを立ち上げました。
ホームパーティープランナーやっています!こんなこと考えています!そう発信すると、思っていた以上に共感してくれる人が出てきました。
― 新聞掲載に、協賛企業まで。
芸能人でもない私が、応援してもらえた理由。
昨年9月に『いつかWD(Wedding)』というプレ花嫁さん向けのイベントを企画・開催したんですが、それも私の発信を見てくれていた方からお誘いしてもらったんです。一緒にこういうことやりませんかって。colorplusというチームも立ち上げて、メンバー全員で3か月前からプランニングして進めていきました。
しかも、嬉しかったのが、その『いつかWD』が読売新聞に掲載されたんです!
私が書き続けているブログを見た新聞社の方が連絡をくださったのがキッカケでした。
まさかと思ってビックリしましたが、こんなチャンスはない!って思ってすぐに取材していただきました。本当に読売新聞さんなのか怪しくて(だって個人に問い合わせがくるなんて!信じられなくて!)いただいた電話番号をグーグル検索して調べたりも(笑)
あと、協賛企業がつくようになりました。湘南貿易さんのノンアルコールシャンパン『デュク・ドゥ・モンターニュ』に、トンボ飲料さんのノンアルコールシャンパン『celeble』。この商品いいな、ホームパーティーで使ってみたいなって思ったら、取り寄せてちゃんと自分で試します。自分が心の底から気に入っているものを世の中に広めたいから。ステマっぽくはしたくないんです。
湘南貿易さんは、5社オファーを出したところ3社が返信をくれて、そのうちの1社だったんです。
商談のときに担当の方に「いち個人の提案にどうして耳を傾けてくださったんですか?」って聞くと、協賛の売り込みは多いけど、村上さんの企画書はしっかりしていたし、どうしてウチに提案しているのかよく分かったっておっしゃっていただいて。
実は、企画書の作り方は『ちゅうもえ』のメンバーに教えてもらっていたんです。彼女も協賛企業の実績があって、コツとか伝え方とかレクチャーしてもらいました。いいと思ったことは人に聴いて、真似をしてみるのもひとつの方法だと思います。
だって、有名企業でも芸能人でもない私に、協賛企業がついたんですから!
― 『2枚の名刺』が毎日を彩ってくれる。
もっともっと、楽しい仕掛けをしていきたい。
「会社員もホームパーティープランナーもって大変でしょ?」って聞かれたらそうかもしれません。ただ、自分でやるって決めていることばかりだから、やるしかない。もしかしたら自分で自分を追いつめてるところもあるのかも(笑)
でも、一生懸命アイディアを出し合って完成したホームパーティーの会場を見ること、それを「かわいい!素敵!」って嬉しそうに写真を撮ってくれるみんなの笑顔、そういうのがパワーになっているんです。
あと、参加してくれた方が「前はよくワークショップに行っていたけど、今はあゆみちゃんのホームパーティーに携わっているほうがずっと楽しい。ただ教わったことをやるんじゃなくて、自分のアイディアを活かして考えたことをできるから!」って言ってもらえて。もう、本当に嬉しくって。
私は、ホームパーティー“プランナー”として動き続けていきたい。
企画・構成・準備はもちろん、colorplusのメンバーが自分の強みを発揮できる場をつくること、埋もれているモノやコトの魅力を伝えること、ホームパーティーを通してそういう楽しい仕掛けもどんどんしていきたいんです。
今、会社員とホームパーティープランナーの“2枚の名刺”を持っていて、充実しています。
営業「村上あゆ美」も、ホームパーティープランナー「村上あゆ美」も、どちらも私。
だけどここからが勝負。自分の名前で勝負したい想いは変わっていないから、ホームパーティープランナーとしての仕事をもっと展開していきたい。
たとえば、協賛企業だと、飲料の実績はできたので、次は食器とか。ゆくゆくは予算をいだけるようにもなりたい。「うちの会社もこういうPRをしたいから、村上さんにはこれだけ予算を出しますよ。」って言っていただけるように、一歩一歩です。
自分で決めたから、妥協したくない。まだまだこれからです!