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花を咲かせるために、まず「芽」を出すこと。

杉江 美樹|SUGIE MIKI

(株)work F-style 代表取締役

仕事のやりがいは“芽を出すこと”。

そんな美樹さんの生き方は・・・

― 今、どのようなお仕事をされていますか?

株式会社work F-styleの代表取締役として「仕事をより楽しく、仕事を通じてより幸せな人生を生きる」ためのコーチングをおこなっています。仕事で悩んだり、行き詰まったりされている方から現状と目標(どうしたいか)を伺い、目標を達成するために何をすべきかを一緒に考え、道しるべとなるようアドバイスをさせて頂いています。

また、企業の社員向けの研修で講師やコンサルティングもしています。

先日は大手メーカー様で女性の活躍推進のためのセミナー講師をさせて頂きました。私自身、会社員時代に女性として挫折や歯がゆい想いをしたことがあるので、そういう経験も活かしてお話させて頂きました。

仕事と人生をより楽しくという軸に沿って、多くの活動をしています。

お客様のワクワクが、私のワクワクに繋がる仕事です。

― 仕事も人生もより良く、より楽しく。なんだか私もワクワクしてきます!

  毎日お忙しいと思いますが、息抜きになるような「好きなもの」はありますか?­

ひとが大好きです。ひとと話すことはもちろんですし、お酒を飲みながら笑っている時間、たくさんのひとが集う場所もパワーがあってとても好きですね!

あとは、お酒。ベルギービールが特に好きです。ベルギービールって日本のビールよりもたくさんの種類があるんです。泡立ちも色も本当に多種多様で、その時々の気分で「今日はこれにしようかな。」と選ぶのも楽しいです。

実は、ひともベルギービールも『好きの理由』に共通していることがあって、多種多様なものが共に存在していると感じることが、私にとって幸せなんです。それぞれの良さを持って一緒にそこに集まるって素敵なことだなぁと思います。

― 共存、ですね。様々な方をコーチングされている美樹さんらしくて素敵です。

  では、今のお仕事のやりがい、この仕事をする理由って何でしょうか?

お客様にとってのプラスの変化を間近で見られることです。コーチングでお伝えしたことを実践されて、ご自身の仕事の目標を達成された時は、私も本当に嬉しいです。

また、上司と部下の方の関係や、組織内のチームワークが良くなったという声を頂くことも、わたしのやりがいです。今まで上司について何も話さなかった部下の方が、「今日、仕事でこんなことを言ってもらいました!」と嬉しそうに報告して下さると、この仕事の意義を感じることが出来ます。

先日も、コーチングを担当しているネイルサロンの店長の女性から、「美樹さん!今月初めて○○万円の売上を達成しました!」と連絡があったんです。彼女、新規出店したお店の売上が全く上がらなくて、社長からも一番の問題児だと思われていて、最初に会ったときは涙を流すほど悩んでいました。

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でも、よく話を聞いてみると、お客様への想いは人一倍強く、スタッフへの愛情も売上目標を達成したい気持ちもある。顧客満足を上げ、スタッフもイキイキ働いた結果、売上をつくれたらみんなハッピーですと話してくれました。実際、彼女はお客様からとても愛されていたので、「このまま進んでいけば、絶対に大丈夫。」とお伝えしたところ、自信を得てどんどん売上が伸びていったのです。

私は、コーチングというのは『種から芽を出すお手伝い』だと考えています。

花を咲かせるための種は持っているけれど、何かに悩んだり葛藤したりして一人ではなかなか芽を出せない。そういう方のお話をしっかり聴いて、受け止めて、アドバイスをする。

芽を出すことができれば、あとはお客様の花がしっかり咲いてひらいていきます。花がひらいてイキイキされるお客様を見ることが、私にとって大きなやりがいです。

これからもお客さんと一緒になって、芽を出していきたいと思っています。

― 美樹さんがいつも笑顔なのは、芽を出すやりがいを仕事で感じているからなんですね。

  きっと20代の時も、やりがいを持って楽しくお仕事されていたんでしょうね。

いえ、そうでは無かったです。20代の時は大手酒類飲料メーカーに勤めていましたが、20代後半はいつもイライラしていましたね。入社して数年たって仕事も出来るようになって、体力もあるのでものすごい勢いでバリバリやるんです。後輩も増えて、徐々に大きな仕事も任されるようになって。ただ、愚痴ばかりの毎日でした。

私はこんなに頑張っているのに、どうして上の人たちは見てくれないの。私は正しいことを言っているのに、何で周りは付いてきてくれないの。そんな風にずっと周囲のせいにしてばかりでした。上司や後輩だけでなく、主人にもそんな感じだったので、みんなから怖がられていたんじゃないかと思います(苦笑)

実は、結婚後に異動があり、まったく希望していなかった部署に配属されてしまったんです。あまりに悲しく悔しくて、いつも「辞めたい、辞めたい」と思っていました。

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それでも、誰よりも一生懸命に仕事をしました。

自分のやる気を起こすためにも、毎日ひとつ新しいことをやろうって決めたんです。

商品の製造数量を工場へ指示する仕事で、他の先輩たちは言われた数量をそのまま製造に流すだけだったのですが、私は調査した情報や資料を用いてプラスワンの提案を入れたり、営業と同行して販売の現場を見た上で製造現場に伝えたり、指示された以上のことをしていました。だからこそ、言われた仕事しかしない人を見るといつもイライラしていたんです。

当然、仕事の評価は高かったです。でもある時気づいたんです。いくら正しいことを言っていても、嫌われたら誰も言うことを聞いてくれない。人間は感情の生き物。無理に好かれる必要はないけど、「あいつのためなら」と言われる人間にならないとダメだなと。

その頃から良いコミュニケーションをとることも意識して、それを徹底しました。自分が周りに歩み寄らない限り、気持ちよく仕事なんて出来ないと気付いたんですね。今日は全員と喋ったかどうかを確認するためのリストを作って、毎日必ずチェックしていました。不思議なことに、丁寧なコミュニケーションを意識するうちに周りを信頼できるようになり、後輩も可愛くなっていったんです。後輩の成功も成長も、とっても嬉しかったです。

20代、特に20代後半というのは「このまま今の会社にいてもいいのか」と考える方が多い年齢だと思います。その時の解決策は、だいたいこの三つですよね。

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  • 諦める(給与も入るし待遇も悪くないし、とりあえず籍を置いておこう)

  • 自分が変わるよう努力をする(今の会社でやりがいを見いだす、道を切り開くなど)

  • 辞める(退職して違う環境に身を置く)

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諦めてなんとなく適当に仕事をするのは、自分にとっても会社にとっても良くありません。

また、本当に辞めるべき時は、辞めようかどうしようかと悩まなくなった時です。誰が何と言っても辞める、そういう気持ちでないと辞めてはいけません。悩んで人に相談している時点ではまだそのタイミングではないのです。

だからこそ、まずは努力をして欲しいんです。小さな努力でも状況は変えられます。コーチングもそんな想いを持ってやっています。

自分が本当にやりたいことは、経験を積み重ねることで見えてくるものです。加えて20代はインプットの時期なので、経験を通して多くを吸収することで、自ずとやりたいことは分かってくると思います。

― 努力と経験によってやりたいことが見えてくる。わたしも勉強になります。

  それでも壁にぶつかった時、挫折した時は、どうやって乗り越えたら良いですか?

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『なりたい自分をイメージすること』です。

私自身、20代の時に、35歳くらいになったら「どんなひとの意見も丁寧に聴いて、怒らない自分になる」「会社を辞めても困らないくらいの、実力を備えた自分になる」というなりたい自分像をもっていました。希望してない部署に配属された時も、35歳の理想の自分に近付くために今を頑張るんだと奮起することで、努力できましたし、壁も乗り越えられました。

あとは、元気をもらえる人に会ったり、旅行をして息を抜いたりして、パワーを充電するのもいいですね。外から自分を客観的に見てあげることで、私って意外に頑張ってるじゃないって思える時もあります。それでもダメなら、とことん落ち込むこと。私もたまにありますよ。落ちる所まで落ちたら、あとはもう上がってくるだけですから(笑)

― なりたい自分をイメージして壁を乗りこえて、やりたいことや夢が見つかったら…

  次は、それを叶えるために大切なことを教えて下さい!

いちばんは、どんな人も受け入れる心の余裕を持つこと。どんな場所に身を置いても結局ひとりじゃ何もできなくて、誰かに支えてもらったり、誰かと一緒に仕事を進めたりします。その時に相手を受け入れないと、孤立してしまいます。それって辛いですよね。

人には必ず良いところがあります。そこに目を向けて受け入れることは、仕事を深く知ること、人脈を築くこと、知識・興味を広げることにも繋がっていくのだと思います。

つまり、周りを受け入れないことは、視野を狭くして自分のやりたいことや夢から遠ざかってしまうことなんです。どんな人も受け入れて、広い視野で考えるようになると、自分の役割も見つかって、やりたいことや夢にどんどん近付くと思います。

あともうひとつは、仕事や日々の生活の中で「何をしていると楽しいのか」「どうしてそれが楽しいのか」を考えるようにすることも大切です。楽しいエッセンスを拾っていくと、やりたいことがどんどん深くなっていきますし、また新しく見つかることもありますから。

― やりたいことや夢を叶えるためにも、寛容に、柔軟でいることが大切なんですね。

  それでは最後に、これから美樹さんはどんな人生を送っていきたいですか?

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ひとつ夢があるんです。それは、年齢も性別も関係なく老若男女が集まって、ともに学ぶ場をつくること。ひとが集まる場所が好きなので、それを自分で生み出せたら最高です。

学ぶといっても堅苦しい場所ではなく、お酒を飲めるようにしたりご飯を食べられるようにしたり、どんな人も気楽に楽しめる場所にしたいですね。みんなが笑顔になるような場所。たとえば、そこで一緒に学んでいる大人を大学生が見て「大人になっても何かを学ぶんだ!」とか「何かを学んでいる大人ってキラキラしてる!」と気付ける場にしたいです。

私たちの世代がキラキラと輝き続ける姿を見せることで、大人になりたいと思える若い子をもっともっと増やせるのではないかと思います。大人になることって楽しいことなんだよって、声を大にして伝えたいですね。

また、私たち大人世代も、若い子と接したり自分について語ったりすることで、仕事や人生をもっと楽しめるようになると思います。若い子に自分の仕事を伝えるときって、「ここが嫌なんだよ…」という愚痴ではなく、ネクタイ整えながら「自分はこんなやりがいのある仕事をしているんだ」って、良いことを語りたくなるじゃないですか(笑)そういう話をすることで自分の仕事のモチベーションも上がる。だからこそ、両者にとって意味があるんです。

いつか、そんな場を作ることが目標ですね。実現できるよう、日々努力です!


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